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百日咳 抗生剤 検査 治療 夜 咳で眠れない 咳が止まらない
小雨が続く今日この頃です。皆さんどうおすごしでしょうか? 今日は百日咳についてもう一度書きたいと思います。私見を含みますので、多少表現が異なることもあるかもしれませんが、皆さんになるべく分かりやすく説明したいと思います。1)症状 百日咳は百日咳菌が起こす気道感染症です。主に上気道炎ですが、喉頭蓋炎、気管支炎、気管支肺炎なども起こします。百日咳菌が気道で増殖し、毒素を産生することにより、ほかの風邪よりも気道の炎症が長引き、菌体や毒素に対して、痙攣性の咳をおこします。その為、コン、コン、コン、ヒューと連続する咳と咳により肺の空気がなくなりそうになる為、最後に息を吸う痙咳発作が起こります。スタッカート(コン、コン、コン)とウープ(ヒューと息を吸う)のセットを連続して起こることをレブリーゼと呼んでいます。なれると聞いただけで百日咳の人がきたとわかるようになります。また咳がひどすぎて夜眠れない、咳がひどくて吐いたなどのエピソードがあると可能性が高まります。百日咳は放置すると100日 約3ヶ月程度咳が続くのでその名前がついています。他の感染症でも例えば、コロナやインフルエンザ、マイコプラズマなどでも感染後の咳嗽、咳喘息と言って、似たような症状になることがあります。その為、検査して適正な治療を選択します。2)検査 当院では現在LAMP法という鼻腔から検体を取り、DNAを検査する方法を行っています。通常4-5日検査結果がかかります。以前は百日咳抗体(PA法)を血液採血して検査していましたが、百日咳猛威の為、今、抗体法による検査は全国でもできません。マイコプラズマが流行した時も同様に一度に検査が全国で殺到しすぎたため、検査ができない現象が起こりました。流行するって大変ですよね。3)治療 マクロライド系の抗生剤が効果があります。クラリスロマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシンなどがあり、当院では耐性株を考え、エリスロマイシンを第一選択にしています。また効果不十分であれば、キノロン系薬剤 レボフロキサシン、ジェニナックなどを使用することもあります。これも耐性株を考えて、ジェニナックを使用しています。また対症療法として、鎮咳剤、吸入のステロイド(レルベア)、アレルギー性鼻炎様の症状などあれば、抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン)など併用することもあります。4)予防 小児では前回書いたように三種混合ワクチン:DPT 四種混合ワクチン:DPT-IPV 五種混合ワクチンも接種しており、小児の感染拡大を未然に防いでいます。妊娠27-36週に妊婦さんに三種混合 DPTワクチンを打つことによって、胎盤を通して母親から赤ちゃんに抗体を受け渡す方法もあります。小児期にワクチン接種でできた百日咳の抗体は、感染してなければ、20年ぐらいで抗体価は低下していきます。つまり、40歳ぐらいになると自然に百日咳にかかっていない人はかかりやすい可能性があります(注:共通の見解まではいってません)それでは書きすぎて読んでくれないと思うので。ではでは👋
